ハッカーは犯罪者か天才か?
|犯罪とインターネット

2012-05-20更新

ハッカー(hacker)とは、天才的な技術力を持ち、猛烈なスピードでキーボードを叩いてコンピューターに命令を下しながらコンピューターネットの暗号をやすやすと見破って侵入するようなマニアックな人々のことをいう。ハックとは「切り刻む」という意味で、ハッカーたちはコンピューターのプログラムを細かく切り分けたり、つなぎ直したりして新しいソフトウェアを創り上げるという魔術師のような腕を誇る。ハッカーがキーボードを叩くスピードも凄まじく、わきに立っていると、まるで金属を切り刻むような連続音が響き渡る。ハッカーの中には軍や大学のネットに侵入して自分の技術力を誇示する人もいるので、ハッカーはネットワーク犯罪者と見なされがちだった。有名な事件としては、核ミサイル発射制御ネットとして開発されたアルパネット(インターネットの前身)がひとりのハッカーの餌食となってコンピューターが一斉に停止したことがあった。1988年11月2日のことである。このハッカーはロバート・モリスJRという当時23歳のコーネル大学の大学院生で、ワーム(ミミズのような虫)と呼ばれる小さなプログラムをネットに放ったのだ。このワームは非常によくできたプログラムで、回線でつながっているコンピューターからコンピューターへと自分自身をコピーし続け、メモリーに潜伏して悪さをしていた。この事件をアメリカの大新聞が書き立て、一般に知られていなかったアルパネットが一躍有名になっている。この翌年、アルパネットに対する政府資金がカットされ、民間向けのインターネットとして新しい道を歩くことになる。悪質ハッカーは、素顔のままネットに侵入するとは限らない。他人になりすましてネットをさまよい歩くこともある。日本圧内や欧米のネット暗黒街には、俗にID屋と呼ばれる地下組織がある。ID屋は他人のネットに忍び込み、密かに会員リストを複写して盗み出す。これを第三者に売りさばく。パスポート密売組織に似ているが、こうした犯罪はなにもかもがネット上で密かに行なわれる。他人の、(ネット会員の識別符号)を買ったハッカーは、巧みにその人になりすまし、こっそりと無料でネットに潜入する。そしてオンラインで買い物をしたりする。いたずらのメッセージを残したり、ポルノ写真を残して驚かせたり、ときにはネットを破壊したりする悪質な行為に走る。京都府警が1996年9月に逮捕した高校生のハッカーは、ID屋から手に入れた、IDで別人になりすまし、なんと未成年の身なのにネット上でポルノショップを開いていた。良心的なハッカーまで犯罪者扱いされてはかなわないとして、ハッカーたちは犯罪的なネットワーカーたちを「クラッカー」と呼んで区別するようになった。クラッカーは1985年ごろアメリカのハッカーたちが作った造語だが、日本ではあまり一般には浸透しているとはいえず、ほんの一部の人たちだけが努力して意識的に使い分けているだけである。悪質ハッカーたちの犯罪が目に余るようになると、FBIが捜査のメスを入れるようになるが、これに危機感を抱いたアメリカの良心的なハッカーたちは、1980年代後半、電子フロンティア財団(EFF)を結成して権力と対抗する。あわせてネットワーク社会における言論の自由や人権を守る活動も行ない始める。下品な情報を流すことを禁じ,電気通信品位法がアメリカで1996年2月8日に成立すると、この法律がインターネット上の言論の自由まで侵しかねないとして、クリントン大統領の署名直後から48時間、ヤフー!社やネットスケープ社など多くのホームページがこぞってその背景色を真っ黒にした。これは異様な光景だった。アメリカの主要なホームページを見ると、ことごとく葬式のような暗い雰囲気だったのだ。この抗識行動は「プロテストの48時間」と呼ばれた。さらに青いリボンのシンボルマークが世界中のホームページに一斉に飾られるようになった。この抗議行動はブルーリボン・キャンペーンと呼ばれた。これはEFFが提供してキャンペーンを張っている運動だ。EFFはアメリカの電気通信品位法などの動きをオンライン言論統制を考えおり、そのスローガンは『オンラインにおける表現の自由を』「インターネットの自由に支援をというものだ。」